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はじめに

タバコは百害あって一利なしと言われています。
お酒を少量なら、かえって健康にはよいと言われています。
実際、少量のアルコールはいろいろな健康の効用が証明されていますが、タバコは少量でも害になります。

タバコの効用について書かれた本はほとんどないと思いますが、宮城音弥という心理学の専門家が1983年に「タバコ」というタイトルで講談社新書を書き、タバコのストレスへの効用を書いています。
しかし、今では手に入らない本です。愛煙家がこれを読むと禁煙は難しくなりそうです。
しかし、現代ではタバコの害は「タバコの科学」のところに詳しく書いてありますように、健康に非常に悪影響を及ぼします。このことについて書かれた本や論文は今では膨大な数になります。
この悪影響を知りながらタバコを止めることの出来ない方は、今一度自分のタバコについての知識は十分なのか確認する必要があります。

ほとんどの喫煙者でこのページを見ている方は、「簡単にやめれるならやめたいよ」と思っているかもしれないですね。実際、喫煙者の8割は止めたいと考えているというデータがあります。
ただし、「簡単に」「苦しまずに」という条件付きなのです。今では禁煙補助剤がいろいろあり、それほど苦労せずに数週間なら止めることが簡単になりました。
そのことも後で、「禁煙の方法」でお示しします。

「タバコ止めるくらいなら、死んだ方がましや」と言う声もたくさん聞きました。
この方たちを説得することは困難です。タバコと心中していただくしかないのです。確かに肺癌の末期の患者さんにタバコを止めていただくことは難しいのですが、多くの人が吸えなくなり止めていきます。また、肺気腫のため酸素療法を受けている方でも、喫煙を続ける方は少なくありません。
こんな方がいました。

年齢は60歳代の後半、肺気腫に肺炎を合併して入院していましたが、よくなってきたため、在宅酸素療法の教育を受けて帰る予定でした。その方が酸素を吸いながらタバコを吸ったものですから、普段ならほとんど燃えることのない、酸素チューブ(鼻カニューラ)が燃えてしまい、その方は勿論両耳から鼻の下にかけてカーブ状に火傷を負いました。幸い病棟のそばでしたから、大事に至りませんでした。1990年代の初めでしたから、各病棟に喫煙場所がありました。こんな人もいました。

慢性気管支炎のため在宅酸素外来で6~7年見てきた方です。この方も60歳代の方で男性です。
常に胸からヒューヒューという音が聞こえ毎年冬になると2ヶ月ほど入院していました。外来はいつも、奥さんとやって来ました。ある日突然この方の奥さんから電話が入りました。
「先生、聞いてください。本当に情けないです。主人がクルマの中でタバコを吸っていたんです。家から10mぐらいのところにタバコの自動販売機があり、そこで買っては、クルマの中で吸っていたらしいです。今度の外来で先生からもきつく言って下さい。本当に情けない。」と言ってました。
勿論その方はその日以来止めております。時々外来でその話が出ると、その方は照れくさそうに笑ってごまかします。

こんなに止めにくい喫煙の本態は「ニコチンという薬物の中毒」なのです。
だから、医療が必要なのです。